【フランス編 1】
0.フランスってどんな国?
フランスはヨーロッパの西側にある国です。人口は約6700万人(2019年1月現在)。面積は約54万4,000平方キロメートル(本土のみ)で日本の約1.4倍。首都はパリ。主要産業は化学,機械,食品,繊維,航空,原子力等。通貨はユーロ。気候はエリアによって海洋性、大陸性、山岳性、地中海性に分かれる。
バスケットボールの面では、代表は男女とも世界トップレベル。国内リーグは男子はほどほどで、女子は欧州で比較的重要な位置を占めている。
1.フランスの有力クラブ 〜ナンテール92〜
ナンテールはパリの郊外にある人口約9万人の自治体である。ここにナンテール92というバスケットボールクラブがある。男女とも所属できるチームである。
男子のトップチームはフランス一部リーグに所属している。2012−13年シーズンに一度優勝したことがある。またフレンチカップでは2013−14 年シーズンと2016−17年シーズンの二度優勝し、2006−07年シーズンと2012−13年シーズンの二度の準優勝経験がある。その他にFIBAユーロチャレンジで2014−15年シーズンに優勝している。女子のトップチームは2チームあり、アマチュアとして地域レベルで活動している。育成組織はシーズンによるが男女合わせて全部で約30チームほどある。U−9からU−20まであり、この他にエスポワール(U−21)がある。8歳以下はバスケットボール・スクールの位置付けである。
ナンテール92に関しては、プロの男子トップチームの練習の様子を記したい。視察した日は2月の火曜日で、リーダーズカップ最終日の翌々日であった。通常一日2回練習することが多いが、選手に疲労が残っているので午前中の練習は無く夕方の練習のみであった。
まずボールを使わずにウォームアップを始めた。その後、ストレッチングを入れたあと、ボールを持った。ミニハードルとミニコーン、そしてラダーを使って、いくつかのステップを踏んだり、ジャンプをしたりしながらドリブルをしていく。ラダーやコーンの配置を何度か変えて、ドリブルしてシュートを打っていた。
その後、ウォークスルーに移行した。ホーンズのセットからのヴァリエーションを中心に取り組んでいた。その一例を図に示す。
図 ナンテール92男子トップチームのナンバープレイの例
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次にハーフコートの5対5に進んだ。ここでもホーンズのセットをうまく使う、という点に重点が置かれていた。最後の8分ほど、ゾーン・ディフェンスへの対策を行った。その中でピックアンドロール風のプレイ、特にリピックを強調していた。これをもってこの日の練習は約59分で終了した。この回には何名かエスポワール(U−21)の選手を練習に参加させていたようだ。
この記事の関連動画はこちら↓
*フランスではルヴァロワの「メトロポリタン92」も視察・調査したが、これについては別な機会に記したい。
*フランスバスケットボール連盟にて、フランスの育成システム、プロチームのシステム、カップ戦の位置付け、フランス代表の運営の現状と問題点、等について、複数の担当者に詳細なインタビューを行ったが、これは別な機会に記したい。
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文責:出町 一郎(でまち・いちろう)
[バスケットボール研究者・バスケットボールコーチ・大学講師]
●東京大学大学院博士課程出身(スポーツ科学,教育学)
● 元プロバスケットボールチームコーチ
*このページに関するお問合せ euro@demachi.net
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