【トルコ編 2】
2.NBA級のアリーナ 〜フェネルバフチェ〜
フェネルバフチェもイスタンブールにあるクラブである。ボスポラス海峡のアジア側を主たる拠点とする。ビッグクラブの一つに数えられる。フェネルバフチェに関し特筆すべきことの一つはアリーナである。これは「ユルケル・スポーツ・アンド・イベント・ホール」と言い、 NBA のアリーナの設計を手がけたことがある人が建築に参画したと聞いた。なるほど 実際にアリーナ内を見てみると、座席数を別にすればNBA のアリーナを彷彿させるような造りになっている(写真)。ヨーロッパのアリーナは相当数視察したが、これはその中でもおそらく最も充実したアリーナの一つと思われる。
写真 フェネルバフチェのホームアリーナでのユーロリーグの試合の様子
トップチームは2006―07年シーズンから急速に力をつけてきており、それ以降トルコ国内ではかなり良い成績を収めている。またユーロリーグでは2016−17シーズンに初優勝するなどヨーロッパを代表するクラブに成長してきている。
育成組織もあり、いくつかのチームとバスケットボール・スクールが編成されていることが多い。例えば、フェネルバフチェの一つのフェネルバフチェ・ドウシュの育成組織は表のように運営していた。
表 フェネルバフチェ・ドウシュの育成組織の呼称と区分
呼称 |
年齢 |
ゲンチ |
17―18歳 |
ユルドゥズ |
15―16歳 |
キュチュク |
13―14歳 |
ミニック-A |
12歳 |
ミニック-B |
11歳 |
ミニック-C |
10歳 |
フェネルバフチェもイスタンブール市内で言えば20ほどのスクールを展開しており、そこで子どもの指導を行っている。そのスクールの中から選手の選抜をして5つ程度のチームを作り、近隣のチームと試合を行う。試合はリーグ内総当たり戦となっている。
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*フェネルバフチェのトップチーム(プロ)並びに育成組織の練習の視察・調査の内容は別の機会に記したい。
*トルコバスケットボール連盟にて、トルコのプロリーグのシステム、トルコの国全体の育成年代の仕組み等について、複数の担当者に詳細なインタビューを行ったが、これは別な機会に記したい。
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文責:出町 一郎(でまち・いちろう)
[バスケットボール研究者・バスケットボールコーチ・大学講師]
●東京大学大学院博士課程出身(スポーツ科学,教育学)
● 元プロバスケットボールチームコーチ
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