【トルコ編 3】
3.イエローとレッド 〜ガラタサライ〜
ガラタサライはイスタンブールを本拠とする総合スポーツクラブである。トルコのビッグクラブの一つと言われている。バレーボール女子チームには日本代表にも入った木村沙織選手と佐野優子選手が所属したことがある。またサッカーチームには日本代表にも入った長友佑都選手や稲本潤一選手が所属していたことがある。バスケットボールチームは男女ともあり、両者ともに数度のトルコ国内リーグ優勝経験がある。他のクラブと同様トップチームと育成組織からなる。写真にもあるように黄色と赤がクラブカラーである。
写真 ガラタサライの育成組織の練習の様子
ここからはビルタン・オズトゥルク氏へのインタビューによるデータである。彼はガラタサライの女子U−18チームと女子U−16チームのコーチ兼U−17女子トルコ代表コーチ(当時)と翌シーズンのU−20女子トルコ代表コーチを務めていた。その立場での育成年代の選手への指導の考え方を聞いた。
まず指導内容の基本的な考え方については、14歳以下の選手に対しては90%以上がファンダメンタルであとは戦略・戦術あるいはそれにつながる基礎を指導し、15―16歳の選手に対しては70%がファンダメンタルで残りの30%が戦略・戦術を指導し、17―18歳の選手にはほぼすべての割合で戦略・戦術を指導するという。
ポジションについては、14歳までは決めずにすべてのポジションの動きとその基礎を教えるという。ポジションを決めるのは15―16歳という。しかもそれは仮のものであり18歳くらいに変わることもあるという。
ただ、14歳までは全ての練習をしている上に、15―16歳でも練習の70%がファンダメンタルなので、トップレベルに進む子どもも含めてスムーズにポジションの変更ができるという。これらの考え方はクラブのコーチとしてだけではなく、トルコの育成年代の代表のコーチという立場という面もあることに注意してほしい。
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*トルコの他のクラブやスクールの練習の視察・調査の内容は別の機会に記したい。
*トルコバスケットボール連盟にて、トルコのプロリーグのシステム、トルコの国全体の育成年代の仕組み等について、複数の担当者に詳細なインタビューを行ったが、これは別な機会に記したい。
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文責:出町 一郎(でまち・いちろう)
[バスケットボール研究者・バスケットボールコーチ・大学講師]
●東京大学大学院博士課程出身(スポーツ科学,教育学)
● 元プロバスケットボールチームコーチ
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